【第一話】ダースローマシュ匡「プロを志した理由…お金持ちになりたい」

ダースローマシュ匡の野球人生に密着

貧乏の家庭に生まれた

プロ野球選手という夢を追いかける男には、人それぞれの物語がある。

今回、その熱い想いの源泉を探るべく、元日本ハムファイターズで活躍されたダースローマシュ匡氏に話を聞いた。
第一話となる今回は、彼が幼少期にプロ野球選手を目指した、その意外な理由に迫る。

「両親がいつもお金のことで喧嘩していて…それが、僕が『お金持ちになりたい』と強く思った最初のきっかけでした」

ダース氏は、まっすぐな眼差しでそう語り始めた。小学6年生の頃、彼はその夢を明確な目標へと変えたという。

奈良県生駒市で生まれ育ったダース氏の少年時代は、決して裕福ではなかった。
「家族は仲が良くて、すごく楽しかったんですけどね」と懐かしむように語る彼の言葉には、当時の情景が浮かぶようだ。しかし、ふとした瞬間に、現実を突きつけられる出来事があった。
「実家の壁が砂壁で、小学生の頃に穴を開けてしまって。その時に、うちは貧乏なんだって、はっきりと感じたんです」

野球を始めるにあたっても、経済的な苦労はあった。
「グローブとかバットとか、野球道具って結構お金がかかるじゃないですか。お年玉を貯めて、親に『これで買いたい』ってお願いして、少しずつ揃えていったんです」
幼いながらも、自身の夢のために工夫を凝らしていた姿が目に浮かぶ。

生駒リトルシニア時代

中学生になると、ダース氏の夢への熱意はさらに加速する。
驚くべきことに、彼は5年間、毎日欠かさずランニングを続けたという。
「特に誰かに言われたわけでもなく、自分で決めてやったんです。それが、体力的にも精神的にも、今の僕の土台になっていると思います」

その努力を「苦ではなかった」と彼は笑顔で振り返る。
「ポケモンのレベル上げみたいで、どんどん強くなっていくのが楽しかったんですよね」
日々の鍛錬を通して、プロ野球選手になるという決意は、揺るぎないものとなっていった。

動画の最後、ダース選手は感慨深げにこう語った。
「最初はお金持ちになるための手段として野球を選んだんですけど、気が付いたら、もう野球そのものが楽しくて仕方なくなっていたんです」
自身の野球人生を誇らしげに振り返る彼の表情が、強く印象に残った。

第二話に続く>>>

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